企業PR動画の制作費はいくら?何にお金がかかるのか
「企業PR動画を作りたいのですが、3分程度ならいくらですか?」。
動画制作を検討するとき、まず気になるのは予算でしょう。しかし、完成する動画の長さだけで費用を判断することはできません。同じ3分の動画でも、制作内容によって必要な準備、人員、撮影日数、編集作業は大きく変わります。
企業PR動画の見積もりを正しく判断するためには、金額そのものより、どのような工程と体制に費用が発生しているのかを理解することが大切です。
目次
企業PR動画はいくらかかる?まず予算の目安を知る
企業PR動画の発注費用は、制作する内容によって数十万円から数百万円以上まで幅があります。制作会社Crevoの公開解説では、PR動画の参考価格を「小規模・簡易な動画:10万〜30万円」「中規模・標準的な動画:30万〜150万円」「大規模・高品質動画:150万〜300万円以上」と区分しています。これは同社が公表する目安であり、公的統計による平均価格ではありません。金額は税区分や対応範囲によっても変わります。
| 制作規模の目安 | 参考価格帯 | 想定される内容 |
|---|---|---|
| 簡易な制作 | 10万〜30万円 | 既存素材の活用、少人数のインタビュー、簡易編集など |
| 標準的な制作 | 30万〜150万円 | 企画から撮影・編集まで、一通りの工程を組む制作 |
| 演出を重視した制作 | 150万〜300万円以上 | 複数日撮影、出演者の手配、複雑な演出・CGなど |
出典:Crevo「PR動画制作の費用相場は10万~300万円以上」〔記事末尾の参考資料参照〕。上表は発注者が予算を考えるための目安で、緋乃株式会社の料金表ではありません。
例えば別の制作会社OneTrackは、撮影1日・1拠点・本編1本の企画・撮影・編集込みで30万円(税別)からと公表しています。このように、具体的な提供条件が明記されている料金と、一般的な価格帯を分けて読むことが大切です。
企業PR動画の制作費は「完成尺」では決まらない
例えば、同じ3分の企業紹介でも、社内の会議室で社長のインタビューを撮影する動画と、工場・店舗・本社を巡り、複数の社員に出演してもらう動画では、必要な作業が違います。後者では移動、日程調整、撮影スタッフ、照明、音声、素材の整理などが増える可能性があります。
さらに、出演モデルやナレーターの起用、CGやアニメーションの追加、複数言語への対応などがあれば、別の作業や費用が必要になります。
動画制作費を左右するのは、完成した映像の分数よりも、完成に至るまでの工程と制作体制です。 1分でも大規模な演出が必要なら費用は大きくなり、5分でも限られた素材を活用できれば、比較的シンプルな体制で制作できることがあります。

見積もりを構成する主な5つの工程
1. 目的整理・企画構成
最初に、誰に見てもらうのか、何を理解してもらうのか、どこで活用するのかを整理します。営業先への説明に使う動画と、展示会で初めて社名を知る人に見せる動画では、伝える情報の順番が違います。構成案、絵コンテ、台本制作、関係者との打ち合わせもこの段階の仕事です。
2. 撮影準備・進行管理
撮影場所の下見、出演者や社員の日程調整、機材構成、撮影スケジュールの作成などを進めます。工場で撮影するなら安全確認や稼働時間との調整も必要です。撮影当日だけでなく、事前の段取りにも工数が発生します。
3. 撮影・照明・音声
必要なスタッフ人数、撮影日数、ロケーション数によって費用は変わります。カメラの性能だけでなく、伝えたい情報に合う画づくりや、聞き取りやすい音声の確保が重要です。遠方の撮影では交通費や宿泊費が必要な場合もあります。
4. 編集・音楽・グラフィック
素材の選定、映像の構成、テロップ、色調整、BGM・効果音、整音、ナレーションやアニメーションなどを仕上げます。修正回数や、縦型・短尺版などの追加納品物によっても作業量は変化します。音源・素材の利用許諾範囲も確認したい項目です。
5. 確認・納品・活用設計
社内での確認、修正指示の取りまとめ、ファイル形式の調整も制作工程の一部です。公開先に応じたサイズや字幕の用意が必要な場合もあります。納品後の運用・広告配信・効果測定は、制作費に含まれる場合と別契約の場合があります。

同じ3分でも見積もりが違う、具体的な理由
例えば、完成尺がどちらも3分の企業PR動画について、次のような見積もりを考えます。これは料金差を説明するための架空の試算であり、緋乃の実際の見積もりや標準料金ではありません。金額は税別、広告配信費などは含まない想定です。
| 費目 | A:社内インタビュー中心 | B:複数拠点・演出あり |
|---|---|---|
| 企画・構成 | 8万円 | 18万円 |
| 撮影準備・進行 | 5万円 | 12万円 |
| 撮影・照明・音声 | 15万円(1日) | 42万円(2日・複数名) |
| 編集・整音・テロップ | 14万円 | 38万円 |
| 確認・納品 | 3万円 | 10万円 |
| 合計 | 45万円 | 120万円 |
Aは会議室でのインタビューと既存素材を中心に制作し、Bは本社・工場で複数日撮影する想定です。75万円の差は「3分の映像の質の優劣」ではなく、撮影日数や人員、事前調整、編集量などの違いから生まれます。実際には交通費、出演料、スタジオ費、追加修正、使用権などを別途計上する場合があります。
逆にAであっても、複雑な図解アニメーションを盛り込めば企画・編集費は増えます。
「何分の動画を作るか」だけでは、適切な見積もりを比較できません。 比較すべきなのは、目的に対して必要な表現と作業範囲が揃っているかです。
安い見積もりと高い見積もり、どちらを選ぶべきか
見積書の金額が違う場合、まず条件を同じにして比較しましょう。企画・台本を含むか、撮影は何日か、出演者の手配は誰が行うか、修正は何回までか、BGMなどの権利処理や追加尺の制作は含まれるか。項目を揃えると、単純な価格差ではないことが分かります。
また、価格が高いほど事業成果が出るわけではありません。 例えば営業担当者が商談で使う説明動画なら、豪華な演出よりも、サービスの仕組みを分かりやすく示すことが大切な場合があります。反対に、ブランドイメージを印象的に伝える映像には、相応の撮影・演出が必要かもしれません。
なお、制作会社へ事前に予算の目安を伝えることも有効です。「予算内で何ができるか」「削っても支障が少ない工程はどこか」という相談ができれば、発注側も判断しやすくなります。
制作会社に相談する前に確認したい5つのこと
見積もりを依頼する前に、次の5点を整理してみてください。
- 誰に見せる動画なのか――既存顧客、見込み顧客、採用候補者など。
- 何を伝えたいのか――事業の全体像、技術力、商品の使い方、社員の人柄など。
- どこで使うのか――自社サイト、商談、展示会、SNS、採用説明会など。
- 社内で何を用意できるか――出演者、撮影場所、既存素材、確認担当者など。
- 予算と公開希望日はいつか――優先する条件と、調整可能な条件を分ける。
最初からすべて決まっている必要はありません。むしろ、制作会社と一緒に整理することで、不要な撮影や演出を減らせる場合があります。

大切なのは、制作費を目的に合わせて使うこと
動画は制作して終わりではありません。誰に届け、どの場面で理解を深めてもらい、次に何をしてもらうのかによって、必要な内容も予算配分も変わります。
必要なところには費用をかけ、成果に結びつかない工程を増やさないこと。 それが企業PR動画の費用を考えるうえで重要です。
緋乃株式会社では、撮影や編集のご依頼だけでなく、動画の目的や活用場面を整理するところからご相談いただけます。制作の仕様や予算が固まっていない段階でも、何を制作すべきか、そもそも動画が適切かを一緒に検討できます。
参考資料
- Crevo VIDEO SQUARE「PR動画制作の費用相場」(価格帯の参考。公的な平均値ではありません)
- OneTrack「企業の映像制作の費用相場」(30万円・税別からの事業者公表料金)
- ムビサク「会社紹介・企業PR動画の費用相場」(尺や表現による価格差の参考)
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